
温かな関係を静かに紡ぐ ラグーナ出版 森越まやさん 川畑善博さん
ラジオ書き起こし版の第3弾は、2022年6月と7月に放送されたラグーナ出版ご出演の回(3回分)をお送りします。過去の書き起こし版は第1弾の1(前半)、第2弾の1(前半)をご覧ください。
今回は放送第2回目の後半部分をお送りします。

壹岐:(ラグーナ出版さんでは)人によって働く時間や休む時間が違うんですよね。
川畑:もう全員違いますね。
壹岐:だから今世間で言ってる、ワークライフバランスの概念を完全に先取りしていたわけですよね。
川畑:その人の体力に合った働き方ですね。
壹岐:一番勤務時間の短い人ってどのくらいの頻度で出勤してるんですか?
川畑:1日3時間の週2日、という人もいます。
壹岐:それを超えちゃうとちょっともう・・?
川畑:様子を見ながら、月毎にですね、基本的に3時間ずつ増やしていきます。余裕があれば3時間で。
壹岐:そういうコントロールは川畑さんがしているんですか?
川畑:いえ、各部署の長が分かっているので・・。
壹岐:別に森越先生がいちいち見るとかいうわけでもなく。
川畑:一応簡単に自己管理できるようなチェックシートがあるんです。睡眠を何時間寝れているか、集中力はどうかといった項目で、本人たちに簡単につけてもらって、それを見て判断しています。もちろん仕事ですから、じゃあこの仕事を増やすからねっていうような形にはなりますけど。そしてまぁ、大事にしているのは実験精神ですね。じゃあ、一ヶ月やってみようと。それでまた余裕があればまた増やす、というような形でやっています。
壹岐:ちょっと皆さんね、驚くかもしれないけど、会社のある場所なんですけど。最初に坂本先生に連れて行っていただいたときは、鹿児島中央駅という、鹿児島のメインの駅があるんですけど、その前のイオンが入っているビルの上の方の一室でしたよね。何となくこう別荘地みたいなところにある・・お庭が広くて緑があってみたいなイメージかもしれませんが、全然違いますよね。普通のテナントビルに入ってる。
川畑:目標は、やっぱり地域に溶け込むっていうのが一番なので。
壹岐:3,4年前に、今のビルに変わられたんですが、そこも鹿児島中央駅から歩いて10分ぐらいのオフィスビルの一室で、そのラグーナ出版さんのお隣に森越先生のクリニックが併設されてらっしゃる。
森越:「ラグーナ診療所」といいます。自分でなんか診療所をするとか考えてなかったんですけど、まぁみんながいるから、隣で・・と言う感じで。ただうちの社員はそれぞれ主治医がいるので、来る人だけ来るっていう普通のクリニックです。
壹岐:あそこに行くと、僕はものすごくホッとするんです、いつも。
川畑:ありがとうございます。
壹岐:ラグーナさんって、普通のオフィスと変わらないですよ。社員の方がそういうお病気的な方だということも全くわからないし。ただね、これは坂本先生と初めて伺ったときに、先生が「空気が違うよね、ここは」っておっしゃったんです。その前に僕が生意気に「ここは次元が違いますね」って言ったんですけど。
まぁ同じようなことだとは思うんですが、ここは、三次元じゃない。空気がきれい。心が荒れない。荒れないというか、ガサガサしない。いる人の心が澄んでるのがわかる。そういう空気感というのは、森の中の別荘地みたいなとこだったらそれは感じることありますけどね、それが、鹿児島もまぁまぁ都会ですから。その中の雑居ビルの一室で、その波動を感じるんです。ちょっと変な話ですけど。
森越:多分あの、働いてる人ひとり一人が、異次元で働いているから・・。宇宙が違いますから。そういうことあるかもしれません。
壹岐:皆さんなにか別の心の世界に住んでらっしゃるような気がするんです僕は。
森越:確かにそうかもしれません。
川畑:まぁなんというんでしょうかね。手を抜くのが苦手な人が多いんです。一所懸命さが伝わってくるんですよ。で、一般の仕事もしつつ、押し寄せる症状なんかもたまにありますから、そういったのも抱えながらやっているので・・。
壹岐:そういうことが、とってもわかる気がするんです。要するに、僕なんか色々と自分を護るために、心に鎧を着てるから、心がむき出しになってないけど、そういう方々って、心だけがむき出しになってるような状態だから、色々な外部のストレスに対して、過敏にものすごく反応されるんじゃないかなっていうのがなんか直感的に分かるんですけど。
川畑:みんなが苦しい体験をしているので、調子が悪くなっても凄く優しくて・・・何と言うか、一般だと大丈夫?とかいろいろなるじゃないですか。でもなんかみんな誰かが大変な時にはみんなが感じるって感じなんですよね。大変だねっていうのを無意識のメッセージというか、みんなで感じ取って。それができるから凄くうまく回ってるんじゃないかなと・・。
壹岐:僕は、そういう空間を味わいたくてお邪魔させていただくんですけど。もう一つ、ほかの色々な会社の方をご一緒して申し上げるのは、皆さん、社員を大切にするとか、優しくするとか考えるわけだけど、まずは社員に負荷をかけすぎない職場空間を作らないといけないということを申し上げるんですけどね。
まぁどこの会社も売り上げが大事だ、利益が大事だと言って、いろいろなストレスとかものすごいプレッシャーをかけますからね。別に意図的にパワハラセクハラとかしなくたって、すごいストレスをかけまくって、キャパを越えてもかけまくって、キャパを越えていることすら気づかない。そういう会社が多いですよね。
川畑:そういうストレスのかけ方は忘れましたね。もう自然に、やっぱりその人の体力は何時間だから、その人の適正はこうだから、っていうのでやってるので・・。
壹岐:それがどこの会社もそうあるべきですよね。
川畑:そうですね、逆に言うと診療所に駆け込む人もいるでしょうし。
壹岐:その方が、遥かに生産性は高くなると思うんですけどね。過度のストレスとか、プレッシャーをかけるから生産性が落ちるのであって、無理やり生産性を高めようとして、努力逆転といいますかね、全く逆のマネジメントをやっていることが多いんじゃないかという気がするんですよ。
川畑:私も以前一度、いっぱい、いっぱいになった時があって、その時に各部の長が来てくれて、業務を細かく切ってくれたときの経験を生かしています。
例えば本の校正でも何段階かあるんです。全体の章立てを作ったり、文字の間違いを見つけたり、まぁ色々段階があるんですけど、そういう業務ごとに仕事を区切って、その細かい業務ごとに強みと言いますか、その人の適性を発見して、じゃああなたは文字の句読点を追う人ねとか、あなたは全体が考えられるので、全体を考える人ねとか、あなたは文章が得意だから、キャッチコピーを考える人ねっていう感じで、本当に細かく分けるんです。細かく分けてピタっと合ったら、また仕事の時間が増えるとまた新しい業務が増えて、そして誰かにまた教えられるようになる。というような形になると会社としてはそこから本当にうまく周り始めたといいますか。生産性が上がった。
壹岐:それって、ある意味経営の極意かもしれませんね。
宮田:坂本先生の本にもありましたけど、できることを活かすっていうのが、働いている方の自信にも繋がってくるんじゃないかなと思いました。
川畑:そうですね。職場に来るってことは、実は健康な部分でしか来てないんです。働くということは、健康な部分で来るんですけど、病気の部分っていうのもあるわけです。それが出たときは対処法を一緒に考えるわけですが、対処法を一緒に考えるのも健康な部分となんです。ですから、とことん健康な部分を大事にして、健康な部分はどうあるべきかを考えて、症状が出てメンタルが崩れたときは、じゃあその対処を健康な部分で考えようねっていうような形でやっています。
宮田:先ほどラグーナ出版さん、出来て15年ということだったんですけれども、どうなんでしょう、継続的に働いてらっしゃる方というか、長い方でどれくらいお勤めになってるんですか?
川畑:長い方で最初からいる方もいらっしゃいますし、精神科の患者さんって、森越が前回お話ししたように中途でなる方が多くて、結構な経歴を持っている方もいらっしゃいます。残念ながらその症状が出て、その症状の原因を見たら、凄く働きづらい、圧のかかるところだったとかなんですね。それで、やっぱり自信を失うんですよ。私はこの世でやっていけるだろうかとか思うわけです。そして、ラグーナでまた働きながら、自信を取り戻してくるんですね。
あと、もう一つ、とっても大事なのが、さっき言ったように“温かな関係”といいますか、“温かな関係”って、人との繋がりもまだ悪くないなという自信といいますかね、それを取り戻してまた一般の企業に戻る方もいらっしゃいます。それもたくさんいます。
宮田:なるほど。これが社会の中で働きながら治療してくというか。という形なんですね・・。ということで、今日は株式会社ラグーナ出版・代表取締役会長、森越まやさん。そして同じくラグーナ出版・代表取締役社長、川畑善博さんにお話をお聞きしましたが、次回もお二人、もう一回お付き合いいただきますので、よろしくお願いいたします。
森越・川畑:よろしくお願いします。