書き起こし版「人を大切にする経営2」坂本光司さん


書き起こし版の第2弾、今回も坂本先生がゲストの神回です。3回に分けてお送りした回の第1回目の後半部分をお送りします。

このシリーズについては当サイトのカテゴリ「新・生壹岐ですが」に分類してしておりますのでこちらをご覧くださいませ。またこの回のラジオ音源はこちらでお聴きいただけます。

宮田:お送りした曲は、坂本先生からリクエストをいただきましたサイモンとガーファンクル「 サウンド・オブ・サイレンス 」でした。壹岐敬のイキイキラジオ「未来への種まき」、今日は人を大切にする経営学会・会長の坂本光司先生をゲストにお話をお聞きしています。さぁ壹岐さん、後半ですが・・。

コロナ禍でこそ真価を発揮した「人を大切にする経営」

壹岐:今の流れの中で先生にぜひお聞きしたいことがあります。

「人を大切にする経営」はいわゆる利益重視型、PL重視型の経営よりも持続可能性が高いということを坂本先生が提唱してこられたんですが、逆にこのコロナ禍で、非常に環境が変わってきた中で、それがより鮮明になってるんじゃないかなという気もするのですが、いかがなんでしょうか。

坂本:たまたまこの前、中小企業庁の部長とか、あと何人かで、パネルディスカッションてをしたんですけど、その時に、コロナ禍で、コロナ前と比べてどのくらい業績が変化したかといういろんなデータを中小企業庁で出してくれたものですから。中小企業庁ですからデータは、何万という会社から取っているんですよ。だからかなり真実に近い、実態に近いという統計だと思いますけどね。

そしたらですね、コロナの前と比べて、コロナ禍でも売上高利益が横ばいどころか減少しないどころか増えている会社が2割あるというんですよ。で、横ばいだっていうのがどのくらいあるっていったら大体2割っていうんですよ。減少したっていうのがどのくらいあるっていったら6割ですよ。

でもね、私その話を聞いて、昔も今も変わりませんねって。コロナの前でも、コロナでもね、変わりませんねと。よく世の中全て、昔は2:6:2とか3:4:3とか言ったじゃないですか。みなさんその言葉聞いた事あるかどうか・・世の中全て2:6:2とか3:4:3だって。世の中の会社を分析するとね、2:6:2に分かれるということですね。良い会社というのが2割ぐらいあると、で、真ん中の6っていうのがまぁ普通の企業というか。そして最後の2割がまぁちょっと問題企業というか。だいたいそういう風に分かれると。どんな組織でもね、2:6:2で分かれるって言ってるんですね。

だから今のテーマで言うと、コロナ前と比べてもコロナ禍でも利益も売上高も上がったって会社が2割ぐらいありますと。横ばいの会社も6割くらい、落ちてしまった会社が2割あるっていうんですけど、これはね、私コロナの前も何十年も研究してるんですけど同じなんですよ。ですからね、私はコロナは物凄く大きな衝撃を日本の企業に与えたんだけど、本物はビクともしないというね。

それから極端な言い方すると、コロナになろうがどうしようが、世の中には変えるべきものと変えちゃいけないものと二つあるじゃないですか。変えちゃいけないというのは正しい経営をするってことですよね。変えるべきものっていうのはさっき壹岐さんもおっしゃったけどマーケティングとかイノベーションとか戦略的なところでしょうけども。

私はコロナで発生した問題って多くの人が言ってるけど、現実はコロナが加速したとか拡大したとかあるけど、コロナが諸悪の根幹とか何かじゃなく、コロナに対応できない企業経営の考え方、進め方こそ罪があるといってね。変わるべきは、コロナの収束よりは、コロナごときにあたふたしなきゃいかんあなたの経営の考え方・進め方を変えることが先決じゃないですかってね・・。パネルディスカッションでそんなことを言いました。

壹岐:もう皆さん、ぐうの音もでなかったんじゃないですか・・。

坂本:私は、社員のモチベーションの高い会社で、業績の低い会社は見た事がないっていうんですよね。逆を言うと、社員のモチベーションが低い会社で、業績が安定的に高い会社を見た事がない、あったら証明してくれって私言うんですよ。8000社見た中でそんな会社ひとつもなかったですよね。

てことはやっぱり会社の業績とかね、未来というのは、社員のモチベーションのレベルで決定するというね。だからコロナの前も後も含めて、あるいはコロナ禍も含めて、社員のモチベーションを高めるにはどうするかっていったら、それは今言った自主性の問題もそうだし、上司の信頼の問題もそうだし、会社が真から社員やその家族のことまで心配して経営やってくださっているというね、そういうことがなければね、いつもこん畜生とかこの野郎とか思っている中では、価値ある仕事なんかできるはずはないね。

だからコロナがある意味、その会社、あるいはその会社の経営、そのリーダーたる経営者のね、本質というものが従業員に見られてしまっているというかね。そういうことも含め、やっぱりコロナですごく今まで顕在化しなかった問題が出てきているということですね。

今、壹岐さんおっしゃったけど壹岐さんのお友達で私たちの仲間ですけど学会の副会長で日本レーザーの近藤さんという方がやっている会社が東京にあるんですけど、そこは技術系の商社です。エンジニアリング・カンパニーですけど、昨年も、今年もなんか過去最高とかいって・・そこも本当にね、一人一人の社員とその家族の幸せを心底考えた経営をやってらっしゃるというね。近藤さんは、日本の中小企業の名経営者の間違いなくお一人ですね。私たちの仲間です。コロナで、普通だったら心配しますよ、輸入だしね。しかもお客さんは、物を作っているというところもありますから、売上は激減というのが普通でしょうけどね、みんな社員が頑張ってくれて、むしろ業績が上がったといってね、2年連続上がったっていうんですから・・。景気とかコロナの問題じゃないってことはこういうことが証明していますよね。

宮田:個人の意識の持ち方というか、壹岐さんも言ってましたけど教育って自分で気づいてやっていかないとやっぱり身につかない部分もありますし、そういったところからモチベーションを上げていくことで結果会社の業績も上がっていくということだと思いますので、コロナだけが原因ではないというか、そんな気もしましたね。見えてくる物が・・。

壹岐:だから逆に、そういう問題点が浮き彫りになっちゃってるようなところもあって、それをね、一方的になんかDXとか、デジタル化が解決するっていうんだけど、デジタル化を導入して、例えばリモート環境を整えたところで、在宅で働く社員の方々が、モチベーションが上がったり、自由に通勤時間がなくなった分を有効活用しようとか、家族との団欒を有効に仕事にも活かそうとかいう思いがなかったら、ただDXが進んだって、意味がないんですよね。DXのところも意外と目的と手段が逆になっちゃうんですよ。

坂本:そうなんです。

私がよく言う「あり方とやり方」のところですね。あり方というのは正しい生き方をする、正しい経営をする、人を大切にするってことじゃないですか。やり方というのはそのためにどういうことをすればいいかという手段じゃないですか。だからいくら立派なビジネスモデルとかね、技術力があってもね、それはどっちかというとあり方ではなくやり方じゃないですか。

あり方が間違ってたらね、人間をコストと見たり、外注さんを景気のバッファとして見たりね、そんなことを効果効率だとか管理だとかいうように考えていたらね、どんなに良いやり方として戦略を講じても上手くいかないですよ。

コロナ禍で問われているのはむしろやり方じゃなくてあり方そのものですよ。繰り返しますけど、お天道様に顔向けできる経営、あるいは神様からご褒美をいただけるような経営それがやっぱり基礎的前提でしょうね。

それがおかしな方向に向かっちゃってる中で、マーケティングをどうするとか、技術開発をどうするとか、人事開発をどうするかってことだけを充実してもね、それは上手くいくはずないわけですよ。だからコロナはあっちゃいかんことだけどね、色んなこと、企業のあり方というか人としてのあり方を問われるような、反省材料としても捉えるべきと思いますよね。

~CM~

宮田:ということで今日はですね、人を大切にする経営学会・会長の坂本光司先生にお話を聞いてまいりましたが次回も、また坂本先生に引き続きご出演いただきますので、よろしくお願いいたします。

坂本:はい、よろしくお願いします。 

宮田:壹岐敬のイキイキラジオ「未来への種まき」は、毎月第二・第四日曜日、午後3時からお送りしています。次回の放送は、12月12日・日曜、午後3時からです。この番組は、一歩一歩に感動を。中山靴店の提供でお送りしました。

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